2009年7月28日火曜日

エコとプラスアルファ。

 
 
みなさんこんにちは。
最近の北海道は雨が降ったり止んだりで、なかなか夏らしい日が訪れません。
日本は四季がはっきりしている国で、季節ごとの商売が成り立っていますが、今年は夏物の商品が売れなくてあちこちの業界が困っているようです。
私達の業界も、消費の落ち込みとともに建築物の着工数が減っておりますので、状況が良いとは言えませんが、そんな中でもどうにか頑張っております。
 
 
さて、上の写真は何かと言いますと、大きな鋳鉄製ボイラーの窓というか蓋部分です。
レトロな感じで、なかなか赴きがある色合いなので写真に収めてみました。 
 
 
 

これが全体像。
長年働いていた雰囲気が出ていますね!
 
今回、伊達市は市役所庁舎にある油焚きボイラーを、ペレットボイラーへ交換することを決めました。
同じ物を長く使うのもエコですが、より環境負荷の少ないものへと入れ替えるのもエコ。
「エコ」にも色々な考え方があります。
 
 
さて、下の写真は湯沸かし器。
こちらもまたレトロなデザインと色合いでなかなかお洒落。

 
 
アップで撮っても男前です(笑)
 
卓越したプロダクトデザインは、時間が経っても色褪せません。
住宅設備に関わるプロダクトも、以前は機能重視で色気の無いものが多かったのですが、最近は大手メーカーでもデザインにこだわった商品が出てきました。
デザインにこだわるということは、機能的に成熟してきたということだと思います。
 
蛇口や便器などが良い例です。それぞれ「水を出す」、「水を流す」というようにその目的はシンプルで、操作性や節水能力を突き詰めてきました。
操作については、ユニバーサルデザインの採用であったり、便器の節水能力にあっては洗浄水の量が10年前の三分の一までになりました。
 
そして最近は、機能+デザイン性のあるプロダクトが欲しいという要望が増えてきているように思います。
但し、デザイン性はプラスアルファの要素なので、価格もプラスアルファとなる傾向があります。
もちろん、「エコ」もプラスアルファな要素で、多くの場合価格もプラス。
自分がコストを払って、将来に貢献します。
 
それでもプラスアルファを求める方が多いという事は、
「より自分が納得したものを手に入れたい」
という事です。
 
大量生産、大量消費の時代は終わり、消耗品と嗜好品の使い分けが出来てきたのかもしれません。
そしてもちろん、住宅は「嗜好品」です。
よりこだわった住宅を建てるには、プラスアルファのあるプロダクトを手に入れたいはずです。
ですから、我々もプラスアルファ、すなわち「付加価値」のある仕事を目指しています。
 
これからは、というか既に、住宅も「付加価値」がポイント。
着工棟数が伸び悩む中、いかに基本性能を高め、更に付加価値をつけられるかが、お客様に選ばれるポイントだと思います。
 
私達の仕事は、住宅の基本性能を高めるところから始まります。
給排水、暖房、換気。
建築会社や工務店さんがプラスアルファできる家づくりをするため、基本性能の一部をしっかり支えられる技術と知識を更に伸ばして行きたいと考えております。
 
 

2009年7月14日火曜日

ヘッダーが素敵です。

皆さんこんばんは。
只今19:40分、ようやく現場から戻ってきた作業車が数台。

施主様の使用開始の要望と、市役所への申請手続きの関係で、どうしても今日中に目処をつけなければならない作業があり、現場の人が総出で仕事しています。


先ほどちょっと様子を見てきたら、やっと片付け始めたところだったので、あと小一時間といったところでしょうか。
技術者総出での作業なんて滅多にありませんが、ここぞという時には協力できるのが我が社の強みです!
 


さて、今日ご紹介するのは暖房ヘッダー。


熱源で作られた暖房液を、各部屋の放熱器へ分配する場所です。
写真は、配管が完了した段階で「漏れ」が無いか空気の圧力をかけて試験している状況です。 

おー!かっこいい!!!
 
このヘッダーを見たとき思わずそう言ってしまいましたが、
そんなこと思うのは一部の設備屋だけだと思います(笑)
 
何がかっこいいのかと言いますと、白い配管の曲がり具合と、まとまり具合がかっこいいのです(笑)
 
 
この白い配管は「マルチケープパイプ」または「アルミ三層管」などと呼ばれていますが、温水セントラルヒーティング発祥の地ヨーロッパでは非常にメジャーな管材です。
日本ではまだ銅管や酸素を透過しないタイプの架橋ポリエチレン管が多く使われていますが、当社では「マルチケープパイプ」が標準仕様です。
 
なぜこの管材を使うのかというと、
1.管を手で曲げる事が出来るので、施工性が良い
2.酸素を透過しないので、密閉回路を作るのに適している
3.継手の使用箇所が少なくて済み、尚且つ接続に火を使わない
大きくは上の3点が理由です。
 
 
例えば、銅管で暖房配管をするとします。銅管は曲がりませんから、配管経路が曲がるときに継手を使用します。
そして継手の接続方法は「ハンダ付け」です。施工に時間がかかりますし、ハンダ付けには火を使いますので、火傷や火災の危険(安全管理がしっかり出来ていれば心配ありませんが。)もあります。
そして、継手が多いということは、その分漏れる可能性となる箇所が多いということです。
施工がきちんとしていれば当然漏れることはありませんが、それだけ慎重に施工すると時間がかかります。
 
その点、マルチケープパイプは、手でも容易に曲がりますので、目的の放熱器まで1本のパイプで到達します。
短い時間で確実・安全な施工が出来ます。
更に、酸素透過性が無いので、当社の標準である密閉式暖房回路を製作するのに最適です。
 
 

以上のようなことから、マルチケープパイプを使用しているのですが、写真のヘッダー、技術者のこだわりが見えて、私は嬉しくなってしまったのです。
 
それは、手でも曲げられる管を、「ベンダー」という道具を使って美しく仕上ていたからです。
 
 
 
ヘッダーは多くの場合、床下にあるので普段はお客様の目に触れることはありません。
しかし、お客様が見ようと思えば見える場所にあるのが「ヘッダー」。
 
この普段は目に付かない場所にもこだわって美しく仕上てくれたことに、ちょっと嬉しくなりました。
 
目に付かないところを美しく仕上るということは、例えば床下や屋根裏の作業をした時にも、きれいに仕事してきているということです。
修理などで床下に入ると、新築工事の時に使った材料の余りや、ゴミが落ちていることがあります。
そのような光景を目にするとがっかりしますが、当社では絶対そのようなことが内容に技術者達に厳しく指導しています。
そして、誰にも見られないところであっても、施工したことに誇りを持てるような仕事を目指して、日々頑張っています。
 
これからもその気持ちを忘れずに、良い仕事をするよう努力しようと思っております。